- 製造
見える化
- コスト削減
- 業務効率化
- 機能向上
- 事務所棟から離れた場所にある冷凍機の異常を察知するには、人力で監視し電話でやりとりするしかない
- 休日などに、当直以外の担当者に緊急電話がかかってしまう
- 遠隔監視システムを検討したが、ケーブルの敷設工事のコストが高い
- 工場環境で使用できる920メガヘルツ無線により冷凍機器の異常を遠隔から監視
- 休日には当直者に連絡が入る設定をし、迅速に対応できるように
- ケーブル敷設工事が必要なく、安価に遠隔監視システムが実現
見える化
冷凍機は、飲料メーカーにとって原料管理の要の設備です。異常が発生したらすぐに対応しなければ大きなコストになってしまうので、定期的に人の目で監視し、異常があれば電話によって管理棟に連絡する仕組みでした。
緊急連絡先を登録して電話をかけるようにしてきましたが、日によって登録者を変えることは難しく、休日にも担当者に電話が入ることになっていました。運転異常を自動的に知らせる遠隔監視のシステムの導入を数年にわたって検討されていました。
遠隔監視システムの最大のネックは導入コストでした。当初、ケーブル敷設工事をするしか方法がなく、システム導入によるコスト削減額が工事費用を上回ることが考えられないため、遠隔システムの導入を見送ってこられました。
工場内は障害物も多く、家庭やオフィスに普及した無線通信は使用できません。
2012年になって、総務省が920メガヘルツ帯の無線技術を認可、製造現場などの無線化が可能になりました。
この無線を使えば、遠隔監視システムの最大のネックだった導入コストが大幅に削減できることになりました。
冷凍機にはもともと、運転状況を管理するために制御盤が導入されています。この盤に無線IO(インプットアウトプット)システムを組み込み、事務所棟にも無線IOシステムを設置。冷凍機の運転状況に異常が発生すると、事務所内の端末に通知が出る仕組みにしました。
また異常が発生すると、社内LANを通して複数担当者にメールで通知が届く仕組みとし、特定の担当者に電話が集中する問題も解決しました。
冷凍機の監視に必要な無線機器を検証するため、評価機を使って事前テストを2回実施。その結果を解析し、安定したシステムであることをお客様に十分に理解いただいたうえで導入いただきました。
無線の親機と子機のアンテナが屋外設置になるため、屋外用のアンテナも導入。降雪の可能性もあるため、雪が積もらないように設置方法も工夫しました。
今回のシステム導入により、冷凍機監視にかかわる作業効率が大幅に改善されたと好評です。作業計画も立てやすくなり、急な残業もなくなったそうです。
冷凍機の遠隔監視を手始めに、そのほかの設備の「見える化」も広がっています。作業指示書をデータとして取り込むシステムを追加し、指示書を作成しているホストコンピューターと連動させ、指示書を遠隔地で受信できるようにしました。設備の作業状況をリアルタイムで通知させることが可能になり、無線による設備の「見える化」が広がっています。
製造業全般 | 屋内外の設備の無線監視、運用。トラックなどのゲート運転状況の無線による通知など |
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