ご紹介したのは、ドイツのフェニックス・コンタクト社のケーブルエントリーシステム「CESシリーズ」。ケーブルを「ゴムスリーブ」に挟み、外枠フレームに配置するモジュールユニットです。 外径2～33ミリ径のケーブルに対応し、適合穴径のケーブルスリーブを複数個(最小ブロック1×1サイズ使用の場合は最大10個)一括でパネル内にケーブル引き込みします。外枠フレームは3サイズあり、きれいに枠内にケーブルを配置することができます。ゴムスリーブの配置後は、枠と一体になっているヒンジを閉めて完成です。ケーブル位置調整作業があっという間に完了します。

機器の入れ替えなどでケーブルの種類や位置が変わったら、枠内のゴムスリーブを変更したり配置替えで対応できます。

筐体パネルに１サイズの穴をあけこのケーブルエントリーシステムを使用すれば、配置する機器が変わって使用するケーブルの種類が変わっても、筐体の作り変えという手間もありません。

外枠のフレームは、「産業用角形コネクターBタイプ）」の標準サイズとねじ取り付けピッチが同じなので、従来、このコネクターを使用していた場所なら置き換えが簡単です。

ケーブルを挟む「ゴムスリーブ」の形状が多様で、素材は2種類。グレーのスリーブは「UL 94 V0」に準拠した低レベルの難燃性で、酸およびアルカリに耐性があります。黒はNBRゴム製で、より堅牢で耐燃料性、耐油性、耐脂性があります。

トウモロコシのような形状の「コーンスリーブ」は、切断可能な柔らかさで、さまざまな直系のケーブルに対応、_※)「IP65」仕様で保護できます。

※)「IP65」仕様＝防塵6級：粉じんが中に入らない（耐塵形）、防水5級：あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない