- 製造
その他
- 機能向上
- 業務効率化
- 省エネ・エコ
- モーターが30年使用し老朽化
- 形が異なる他社製品に置き換えるしかない
- ローラーとモーターをつなぐ軸の接続部分が特殊
- 新旧モーターの置き換え工期を短くしたい
- 最新製品にすることで故障を未然に防止
- 調整台などにより同位置への設置を可能に
- 接続部品を独自製作し、しっかり結合
- 図面から綿密に計画、現地調査1回で1週間で工事完了
その他
建材メーカーの原料工程からご相談をいただきました。練り作業をしている2本のローラーを動かしている1台の大型モーターが、使用開始から30年経過、「いつ故障してもおかしくない。新しいものに交換したい」とのことでした。
同じ形のモーターがあれば交換工事は難しくありませんが、年月の経過により、同形のものが存在しません。別製品に置き換えるしかありませんが、同じ位置にモーターを設置するには、アタッチメント台が必要なほか、ローラーとモーターを接続するために特殊な加工が必要でした。
旧モーターと新モーターは、出力は同じ75キロワットでしたが、外形は大きく異なっていました。旧モーターは、直径70センチ、全長172.5センチの整流子モーター(東洋電機製造製)で、新モーターは直径56センチ、全長148.6センチAC(交流)のベクトルインバーター方式(三菱電機製)でした。新旧モーターの中央部分の高さは13センチも差があったため、新モーターを載せるアタッチメント台が必要でした。
台の材料には機械構造用炭素鋼「S45C」を使用、重量配分を均一にするための設計をしました。台の材料選び、設計、加工を行う過程では、組み合わせや接続方法など、詳細な打ち合せが必要ですが、産業用モーターのことを知り尽くしている研電工業だからこそ、1回の現地調査で設計から製作までできました。
事前にいただいた機械図面で新旧モーターの置き換え方法を綿密に検討しました。
当初、ローラーとモーターをつなぐ部分は取り外しが可能であることを想定し、結合部分の「カップリング」を交換することで新モーターが結合できると想定していました。しかし、ローラー側の一部とモーターが直接結合する構造であることが、現地調査によりはじめて判明。ローラー側結合部をそのまま流用し、結合部分に嵌め合い加工施することで、想定期間内に工事を終了できました。
旧モーターは「整流子モーター」で、回転子には整流子やスリップリングといった部品があり、カーボンブラシを通じて接触、通電することで回転子に電力信号を伝える構造でした。また、開放型モーターであったため、周辺の粉じんが内部に堆積されやすく、月1回は内部の清掃メンテナンスと整流子やスリップリングの手入れが不可欠なものでした。
新モーターは、磁束を作る電流と回転力となる電流をわけて制御するベクトルインバーター方式という最新製品で、旧モーターのような内部部品がなく、摩耗がありません。メンテナンスは潤滑油を定期的に注入するだけとなり、定期的なライン停止の必要がなくなり、生産性が大きく向上、電力消費も低減しました。
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