事例詳細 ミキシングロール機安全対策

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塗料の製造工程で使用する大きなミキシングロール機。人が手を入れる作業があるため、挟まれないよう完全な安全対策をしたい!三菱電機製プログラマブルロジックコントローラー(PLC)とコグネックス製カメラで、手袋のマーカーを感知すると装置が停止する仕組みをつくりました。

課題

  • 塗料製造では、原料を大きなローラーで引き延ばす工程があり、人がローラー装置内に手を入れる作業がある
  • 巻き込み事故発生時に装置を止めるブレーキレバーはあるが、巻き込み事故そのものを撲滅したい
  • 大きな変更をせず、少しの装置変更だけで可能な安全対策がほしい

導入効果

  • 作業者が必ず着用する手袋に、マーカーを取り付け、コグネックスカメラで監視
  • マークを感知している間はミキシングローラーが作動しないようPLCがコントロール
  • ローラーが稼働中でも、手袋のマークを感知すると自動的にブレーキが作動する仕組みを構築
  • 既存の仕組みにブレーキの割り込み信号送るという変更を加えただけで安全対策ができ、最低限のコストで安全対策が可能になった

導入の背景・課題

作業員がミキシングロールに手を挟まれる事故を未然に防ぎ、安全性のさらなる向上を目指す

粘土状の原料を使用する塗料の製造工程には、直径約1m程の大きなミキシングロール機で原料を引き延ばす作業があります。労働災害防止のため人が介在する作業はほとんどなくなったものの、ロール機に添加剤を投入するという作業は、必ず人が手で行う必要がありました。

この作業は通常、装置を停止させてしか行いませんが、人のミスを完全になくすことはできません。安全対策のため、「緊急停止ブレーキ」装置もあります。しかし、ブレーキは事故が発生した場合の対策であり、未然に防ぐことはできません。

装置を停止したつもりでローラーの近くに手を入れた作業員があったことから、より高い安全対策の必要性があると判断。既存の装置を生かしたうえでできる事故防止策がないかと、立花エレテックにご相談がありました。


導入したシステムの概要

システム概要図


導入のポイント

作業員は必ず手袋をはめることに着目しました。この手袋にマーカーをつけ、「危険ゾーン」と設定した場所でマーカーを感知すると装置が止まるシステムをご提案しました。

ミキシングローラーを制御している三菱電機製PLCに、カメラシステムを連動するだけでOK。三菱電機PLCと相性がよいコグネックス製カメラをミキシングローラーの上に追加しました。カメラからの信号は常時PLCに送信されます。万が一、手袋のマーカーを感知すると、PLCが装置を停止するようプログラムしました。

今回、巻き込み事故を検知する「危険ゾーン」は幅が20センチ以下と狭く、この範囲だけでマーカーを認識しブレーキ信号を発信させることは簡単ではありませんでした。マーカー色の選定も難しく、原料や器具の色、ミキシングロール機による光の反射なども考慮する必要があり、試行錯誤を繰り返しました。

また、揮発性の高い原料を扱う工程での運用になることから、カメラの設置条件についても実験を繰り返して決定しました。


導入後の効果

巻き込み事故が起こる前にミキシングロール機を停止させることが可能になりました。
また、停止と同時に大音量のブザーが鳴るように設定、作業員にブザーを鳴らさないようにしようとする意識づけも行い、安全に対する意識も向上しました。

応用できる業界・職種

製造業など全般 ミキシングロール機を使用する製造業、塗料や食品などのメーカー

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