事例詳細 原料調合

  • 製造

プロセス系生産システム

  • 業務効率化
  • 機能向上

原料の混合専業会社では、多数の原料を正確に配合することが生命線、人的ミス撲滅のため計量工程をバーコードで管理!原料のバーコードをハンディーターミナルで読み取り、”レシピ”どおりに計量しないとミキサー工程に原料を持ち込めない仕組みを構築、調合ミスによる廃棄コストがゼロに

課題

  • 原料の計量ミスに気付かず混合し、一回のミスで数トンも廃棄が発生
  • 混合ミスのまま出荷すると損害賠償請求されるリスクも
  • 約1000種類もの調合レシピがあるため、計量工程は単純作業にもかかわらず神経を使う。労働者にとっては負担が大きい

導入効果

  • 最大9999種類の調合レシピが管理でき、工場側でレシピの新規登録、削除も可能
  • ハンディーターミナルでバーコードを読み取る操作は簡単なので誰にでもできる
  • 指定通りの計量が完了すると、工程管理端末に「OK」サインが出るので、計量ミスはゼロに
  • ミキサーによる混合完了で最終出荷帳票も自動出力する仕組みとなり省力化

導入の背景・課題

計量工程でのミスに気付かずに混合してしまうと、すべての原料が無駄に。一回のミスで数トンもの材料を無駄にしていた

原料混合工程は調合比率や原料数が多種多様で、要望に応じて受注生産を行っています。

原料の調合割合を書いた「レシピ」は、およそ1000種類。生産指示は毎回変わるため、どんなに気を付けても人的ミスをゼロにすることは難しいもの。たった1グラムでも調合量を間違うとお客様に納品できず、混合済み原料を廃棄処分にしなければなりません。それでもミスに気付けばまだまし。万が一、混合ミスに気付かないまま出荷してしまうと、納入先から賠償請求されるリスクもありました。

特注原料の調合工場のため、計量工程すべてを自動化することは投資採算性からは現実的ではありません。人のミスをゼロに近づけるための仕組み導入が必要でした。

人が計量する工程にバーコードリーダーによるチェックシステムを導入することで、計量ミスがあったら即刻警告、ミキサー工程前にわかるシステムをご提案しました。


導入したシステムの概要

計量工程は3つ。
0.1グラムまでの細かい計量を行う「A工程」では、洗面器サイズの容器に複数種の原料を1つの容器で計量していきます。「B工程」ではドラム缶サイズ容器で計量。「C工程」は、100キロ単位の大規模計量で、ミキサー装置に自動計量した原料が直接投入されます。
人による作業は「A」と「B」の工程で、ミスが発生する場所でした。

納入したのは、【1】調合レシピを登録・管理するパソコン【2】バーコードを出力するワイヤレスラベルプリンター【3】計量工程で使用するバーコードリーダー、ワイヤレスハンディーターミナル【4】最終帳票を出力するプリンター。システム検討から最終納品まで約4カ月でした。

工場内作業は次のようになりました。

  1. 工場内で使用される原料すべてにバーコードを設定。納入されてきた原料の容器に、バーコードラベルを貼るようにしました。
  2. A、B、Cの工程にあるすべての計量器は、プログラマブルコントローラー(PLC)を通じて生産監視システムと連携。正確な計量ができたかどうかPLCを通じて生産管理システムに連絡。
  3. すべての計量工程に、ワイヤレスのハンディーターミナルを設置。原料バーコードを読み取ってから計量作業をするようにしました。例えばA工程での作業は次の通り。
    1. ネットワークにつながった計量器の上に、洗面器サイズの容器を置く
    2. 計量場所にあるタッチパネルつきパソコンに、いまから計量しようとしている調合レシピが表示
      1レシピあたり、6~10種類の原料が列挙されている。1つの原料をタッチ。
    3. 原料についているバーコードをハンディーターミナルで読み取ってから計量用容器に原料を投入
    4. 指定通りの重量になるとレシピを表示ししているパソコン画面には「OK」サイン
      続いて計量する原料をパソコン画面でタッチし、同様に計量。
    5. A工程で計量する原料がすべて正確に洗面器サイズの容器に入ると、レシピ表示画面に「完了」表示
  4. B工程の計量器は体重計サイズ。A工程と同様にPLCでつながっているので原料バーコードを読み取って順次計量。
  5. C工程でも、自動計量投入前に、原料のバーコードを読み取り。

導入のポイント

タッチパネル付きパソコンとワイヤレス接続できるハンディーターミナル(バーコードリーダー)9台を導入。バーコードを出力するラベルプリンターもワイヤレス接続。最終の帳票出力するプリンターもセットに。

パソコンでは最大9999種類のレシピが登録できるシステムを開発。レシピと異なるバーコードを読み取ると、原料の投入ができないよう制御しています。

ミキサーの制御や工程を管理するためのプログラマブルコントローラー(PLC)と管理画面装置「GOT」、PLCにつなぐことができる計量器が導入されたので、バーコードリーダーによる原料管理も簡単に連携させることができました。

導入のポイント概要図


導入後の効果

バーコード管理による原料計量チェックシステムの導入により、人的な計量ミスがゼロに。廃棄コストがなくなりました。原料を発注するお客様からの信頼も、より高くなりました。
神経を使う工程にミス撲滅の仕組みが導入されたことから、労働者の負担軽減にもなり、採用にもメリット。


応用できる業界・職種

製造業など全般 正確な原料計量を必要とする工場など(食品工場、ガラス工場など)

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